配偶者控除申告書とは

年末調整に必要な、配偶者控除申告書の内容や提出時期などを説明します。

配偶者控除申告書ってどんな書類？

配偶者控除申告書は「配偶者控除」や「配偶者特別控除」を受けるなら、提出しなければならない書類で正式名称は「給与所得者の配偶者控除等申告書」です。

配偶者控除は「配偶者の所得が一定以下の条件を満たすと税金の控除を受けられる制度」です。配偶者がいる方は忘れないように提出をしたほうがいいでしょう。

控除を受けるための要件とは？

配偶者控除と配偶者特別控除を受けるには、配偶者が条件を満たさなければなりません。納税者本人に控除対象となる配偶者がいることが前提です。

• 控除を受ける納税者本人のその年の合計所得額1,000万円以下
• 配偶者は民法の規定での配偶者。内縁関係はNG
• 納税者と生計をひとつにしている
• 年間の合計所得金額が48万円以下。給与のみの場合は103万円以下
• 青色申告者の事業専従者としてその年を通じ一度も給与の支払いをうけていない、または、白色申告者の事業専従者ではない

一方の配偶者特別控除は配偶者控除の範囲を超える所得のある配偶者が前提です。その所得に応じた所得控除を受けられます。基本的に配偶者控除の要件と同じですが異なる点もあります。

• 年間の合計所得額が48万円以上133万円以下
• 配偶者が配偶者特別控除を適用していない
• 配偶者が「給与所得の扶養控除等申請書や従たる給与について扶養控除等申告書に記載された源泉控除対象配偶者がある居住者」として源泉徴収されていない
• 配偶者が「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書に記載された源泉控除対象配偶者がある居住者」として源泉徴収されていない

配偶者控除申告書はどんな人が申告するの？

配偶者控除や配偶者特別控除の条件を満たした方は、申告したほうがいいでしょう。また、配偶者の合計所得金額が38万円以下の人、配偶者特別控除なら48万円超133万円以下の人は、他の条件を満たしているかもチェックしてください。

注意点は上記の条件すべてを満たさなければならないことです。ひとつだけ満たしただけでは申告できません。

配偶者控除申告書を提出する時期は？

年末調整で配偶者控除や配偶者特別控除を受ける場合、会社など給与を支払う者からその年の最後に給与を支払ってもらう日の前日までに提出します。給与の支払者を通じ、所轄税務署長に提出する流れです。

ギリギリになればなるほど担当者の負担が大きくなるため、なるべく早く提出したほうがいいでしょう。また、自営業者の場合は確定申告の時期です。

配偶者控除申告書を出さないとどうなる？

配偶者控除申告書を提出できなかった場合、自分で確定申告をしなければなりません。一般的に確定申告の提出時期は、2021年の場合だと、予定では2月16日～3月15日までです。期限までに提出しましょう。

配偶者控除は「損をしない働き方」を考える上でも重要です。理解しておけば、配偶者控除や配偶者特別控除でお財布の負担も軽くなります。